善玉菌と悪玉菌とは?【腸内細菌】
2024.04.18
「善玉菌」「悪玉菌」どちらも聞き覚えのある方は多いでしょう。
それに加えて日和見菌(ひよりみきん)の3種類が代表的な腸内細菌として分類されます。
人間の大腸には約3万3000種類、1000兆個の細菌が生息していると言われております。
いつまでも健やかな生活を送る為に、腸の働きや腸内の菌を整えるポイントをおさえておきましょう。
腸内フローラについて
腸は「第2の脳」とも言われ、免疫システムをコントロールしています。
食べ物を消化するだけでは無く、肥満や老化他、様々な病気と深く関係しています。
腸内の細菌は種類ごとに隙間無く張り付いており、まるでお花畑のように見える事から「腸内フローラ」と呼ばれるようになりました。正式名称は「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」です。
腸内の細菌は、人間の体に良い事をしよう、悪い事をしようと言う考えがあって棲み着いている訳ではありません。
人間の腸内がそれらの細菌の生存に適した場所だから生息しているだけなのです。
善玉菌の種類とは
・乳酸菌
乳酸菌は主に小腸の下部から大腸に生息しています。悪玉菌の増殖を抑える他、コレステロールを低下させたり免疫機能を高めたりする効果がある、と言われています。
・酪酸菌
酪酸菌は主に大腸に生息し、腸内の悪玉菌に対して対抗する作用を示し、他の善玉菌と共生
しながら整腸作用を発揮します。近年の研究から、単独よりも他の善玉菌との共生により酪酸を多く産生する事が判明しました。
・糖化菌
糖化菌は小腸に生息し、消化酵素の一つである「アミラーゼ」を産生してデンプンを糖に分解します。よく「体に良い」とされている納豆菌も糖化菌の一種です。
・ビフィズス菌
ビフィズス菌は人間の大長に棲む代表的な善玉菌です。
ビフィズス菌と乳酸菌の大腸内での割合は「ビフィズス菌99.9%」に対して「乳酸菌0.1%」と言われ、ビフィズス菌の割合が圧倒的に多い事から、腸内環境を整える為に非常に重要な菌である事がわかるでしょう。
また近年の研究では、アレルギー症状の緩和や認知機能の維持等にも効果がある、という結果が出ています。
主な悪玉菌
・ウェルシュ菌
悪玉菌の代表。腸内のタンパク質等を腐敗させ、有害物質を作ります。老化や腸内の腐敗、発ガン性物質との関係があると言われています。
日和見菌とは
日和見菌は腸内細菌の7割を占める菌で大腸菌、腸球菌(ちょうきゅうきん)、緑膿菌(りょくのうきん)等が該当します。
普段は大人しく、良い事も悪い事もしない細菌ですが、腸内フローラのバランスが次第で有害な、無害な、有益な働きをする菌です。
善玉菌、日和見菌、悪玉菌の割合が2対1対7と考えられています。
腸内フローラのバランスについて
悪いイメージのある悪玉菌ですが、全くいなくなると善玉菌が働かなくなってしまい、食べ物の消化や吸収が上手く行かなくなります。
悪玉菌も人間が生きて行く上で、無くてはならない菌なのです。
大切なのは悪玉菌より善玉菌が多い腸内フローラに整える為に、日和見菌を味方に付けて善玉菌を優勢にしておく事、と言えるでしょう。
具体的には納豆、甘酒、ヨーグルト、チーズ、味噌と言った発酵食品や、善玉菌の餌となる玉ネギ、長ネギ、バナナ、ゴボウ、オクラ、こんにゃくと、キノコ類と言った食材が挙げられます。
また食生活以外では質の良い充分な睡眠や適度な運動等が求められますので生活習慣にも注意が必要です。
以上、善玉菌や悪玉菌に日和見菌、腸内フローラと言った、あまり普段は聞かれない単語も出て来ましたが、いずれも日々の健康に必要な物です。
常日頃から善玉菌を増やす事を意識した生活を心掛けましょう。