食育基本法とは?食育基本法が制定された背景について
2022.01.20
食育基本法という法律をご存じでしょうか。
この法律は2005年に制定され、2015年に改訂されて以来、農林水産省、文部科学省、厚生労働省が協力し合いながらあらゆる取り組みを行っています。
こちらの記事では、食育基本法の基礎知識についてご紹介しています。
食育基本法とは?
食育基本法とは、食に対する正しい知識や、子供に対して適切な食事方法を身につけさせるために制定された法律です。
また、食の意識を見直し、国民の健康を保つという役割も持っています。
そしてその背景には、日本で起きている食に関する問題の存在があるのです。では、それはどのような問題なのでしょうか。
栄養の偏り・不規則な食事
朝食を抜く、野菜の摂取量が極端に少ないなどによる栄養の偏りや、多忙による不規則な食生活が問題視されています。
特に若い年代の野菜不足は、近年深刻化しつつあるといわれています。
肥満・生活習慣病の増加
食生活の乱れによる肥満や生活習慣病発症が増加している中、食生活の見直しが大きな課題となっています。近年では、子供の肥満や生活習慣病も増加しているため、食生活改善の提案は急務だといえるでしょう。
過度の痩身志向
特に若い年代に多いといわれるのが、過度の痩身志向による栄養不足です。栄養不足は体のいたるところに悪影響を及ぼすため、ダイエットをするなら栄養素をしっかりと摂りながら行う知識が必要でしょう。
食品の安全性への不安
食品に含まれる汚染物質に対する不安は誰でも考えることであるため、この不安を解消するための対策が必要だといわれはじめています。
食品の海外輸入依存
日本国内の食品自給率のレベルは世界的に見て低く、およそ38%程度だといわれています。
つまり、日本の食卓でお馴染みの食品の60%以上が輸入に頼っているということで、この状況の改善が重要です。
これらが、食育基本法が制定された背景にある問題です。
そして、このような問題を解消するために制定されたのが、食育基本法だということですね。
食育基本法の基本的な目的について
食育基本法では、13項目の目的が定められています。
- 国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成
- 食に関する感謝の念と理解
- 食育推進運動の展開
- 子供の食育における保護者、教育関係者の役割
- 職に関する体験活動食育推進活動の実践
- 伝統的な食文化、環境と調和した生産等への配慮及び農山漁村の活性化と食料自給率の向上への貢献
- 食品の安全性の確保等における食育の役割
- 国の責務
- 地方公共団体の責務
- 教育関係者及び農林儀業者等の責務
- 食品関連事業者等の責務
- 国民の責務
- 法制上の措置等
これらは食育基本法の目的となる第1章の項目となり、第2章では食育推進基本計画、第3章は基本的施策、第4章は食育推進会議等となっています。
引用元:厚生労働省
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/attach/pdf/kannrennhou-20.pdf
今回は、食育基本法が制定されて背景にある問題点や、食育基本法の目的についてご紹介してきました。
近年、食の乱れによる不調が問題視されるようになっており、その改善目的で制定されたのが食育基本法です。
食と健康は切っても切れない関係にありますので、食育基本法が制定された目的を理解した上で、食生活を正していく必要があるでしょう。