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日本で初めての給食

2021.02.24


現在、当たり前のように食べている学校給食ですが、一体いつから始まったのでしょうか?
日本での給食は非常に古く、その歴史について知る人はあまりいません。
果たして日本で初めての給食とはどんなものだったのか歴史を振り返ってみましょう。

給食の歴史

日本の給食の歴史と内容

初めて、日本で給食というものが食べられたのは明治22年に現在でいう新潟県鶴岡市の小学校でお坊さんが出したことがきっかけです。
当時は、貧しい家庭が多く学校にお弁当を持ってくることが難しい子供ばかりだったので、小学校をを建てたお坊さんが「おにぎり・焼き魚・漬物」といった簡単な食事ですが、無償で子供たちに提供したことが始まりだといえます。
この小学校には、50人近くの子供が通っていたので、お坊さんたちは用意するのも大変だったことでしょう。
しかし、子供たちの成長を考えしっかりとした昼食を用意してくれたということです。
ただ、この件に関しては明確な文献などは火災があったため残されていませんが、当時実際に給食を食べていた関係者だった人たちからの話を聞き、給食の発祥として定められました。

日本で初めての学校給食

明治22年に給食が始まった後、大正12年には小学校児童栄養改善のために「学校給食がその方法の1つ」として奨励されています。
しかし、昭和に入ると日本は目まぐるしい変動が起き、混乱が続いたことにより、児童たちも学校どころではなくなってしまう状況になったのです。
昭和16年の太平洋戦争が開戦されたことをきっかけに、食糧不足のため学校給食を中止することになってしまいます。
ここから長い期間、日本は混乱の中、児童たちは勉強という自由が失われてしまうのです。
昭和20年に太平洋戦争が終結し、翌年には日本国憲法が公布され、少しずつ日本は穏やかさを取り戻していきました。
日本国憲法が公布されたのち、文部科学省・厚生労働省・農林水産省それぞれの次官通達にて「学校給食実施の普及奨励について」が発せられます。
ここから、学校給食の方針が決まり、本格的に給食が再開するのです。
方針が決まった後、昭和22年には全国の児童約300万人に対して、学校給食がスタートします。
この時の給食メニューは、アメリカから無償で与えてもらった脱脂粉乳を使用したものが多く、シチューなどが多かったようです。
その後、昭和24年にはユニセフから脱脂粉乳の寄贈を受け、さらに昭和25年にはアメリカから小麦粉を寄贈してもらい、パンやコロッケなどしっかりとした内容の食事メニューを給食として提供できるようになりました。
寄贈されたのは8大都市の小学校となるので、全ての学校に行き届いたというわけではありません。

しかし、継続的に小麦粉に対する国庫補助金を求め、学校給食が継続されるよう要望した運動が全国で繰り広げられます。
昭和27年には全国全ての小学校を対象に完全給食がスタートできるよう、小麦粉に対するはなく国庫補助が開始されました。
この頃から、アメリカに頼ることなく日本で自立した学校給食を提供できるようになったため、中止の危機などにはさられることはなくなります。

昭和29年、学校給食法が成立されたのです。
ここから、子供の成長に対していかに食事が大事なのかということを考えるようになり、食育が考えられるようになりました。
昭和33年、長らく続いた脱脂粉乳から牛乳が給食で供給されるようになり、昭和51年には米が給食でも出されるようになります。
このように、紆余曲折ありながらも学校給食の大切さは明治時代から考えられ、守られてきたのです。
現在では明確に食育の必要性が提言されており、食中毒予防の消毒・洗浄に関してもマニュアル化されています。
安全に、児童が食事を通して季節の移ろいや食感などを楽しむことを給食では教えてくれるのです。

日本の給食は海外でも評価が高い

長い歴史を持つ日本の給食ですが、海外からも非常に高い評価を得ています。
なぜなら、日本の給食は「質が高く充実した学校給食制度」だと思われているからです。
海外では、世帯所得ごとに予算が分けられていることも多いため、日本のように「みんながバランスの良い温かい食事を食べられる」ことはとても珍しいといえます。
食育の概念が強く、海外の場合は昼食はランチタイムと呼ばれるいわゆる「休憩の時間」と受け取られていますが、日本では「教育の時間」と考えているのです。
みんなで食事をすること、季節の食材を適切な期間に食べ、季節のイベントの食事を楽しむことは日本特有の感覚になります。

ただ、日本では摂食障害の児童が増えている傾向があり、給食を残すことも増えてきていました。
そのため、2005年には食育の法律を制定し、学校は児童に望ましい食事選びの教育を施すことを奨励しています。
日本は、非常に給食に対して真摯に向き合い続けている姿勢が、海外から評価されている理由だと言えるのでしょう。
食べるだけではなく、食後の歯磨きや掃除に関しても日本は徹底されているのでマナーに関しても教育されているのです。


日本の給食は歴史が長い

日本の給食の歴史や現在の評価についてご紹介しました。
初めての給食は明治22年ととても昔からスタートしていますが、古くから日本では児童の成長と食事の関係性に対して向き合ってきたからこそ、現在の質の高い給食を維持できています。
家庭だけではなく、学校でも健康的な食習慣と味覚を持ち、食べ物の大切さを理解できるように指導していく姿は海外からも評価を得ています。


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