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意外と知らない食品添加物のこと

2018.10.15


■食品添加物の定義

食品添加物とは、読んで字のごとく食品を作る際に加えられる物質のことです。 食品添加物は体に悪いものというイメージが広く浸透していますが、すべての食品添加物が体に悪いものかというと、そのようなことはありません。 おそらく体に悪いものであるというイメージが定着してしまった理由として、天然の動植物から化学合成をすることなく使うものだけでなく、化学合成物を使うケースがあるため、食品添加物のすべてが体に悪い影響を与えるというイメージができあがったと考えられます。 実際にはどのようなものが食品添加物なのかを知らないまま、あれもだめ、これもだめと選んでいたのでは、食べられるものが限られてきてしまいますので、極端な思考は考えものです。  

■食品添加物は悪者なのか

すっかり悪者のイメージが定着してしまった食品添加物ですが、本当にそんなに悪いものなのだろうかという疑問も湧いてきます。 そこまで悪いものならば、食品として使うことを厚生労働省が認めるはずがないと思われるからです。 天然の植物から得たものは、昔から着色料として使われてきた歴史があります。 クチナシやシソの葉などであれば、美しい色合いに仕上げるために使われたとしても、それほど抵抗を感じることはないでしょう。 おそらく、抵抗を感じるのは化学物質だと考えられます。 たとえば、ぷるんとした舌ざわりが美味しいプリンやゼリーには、ゲル化剤という物質が加えられています。 これも食品添加物の一つで、これが加わることによってプリンやゼリーの独特の食感が生まれ、美味しく食べられるのです。 ただ、明らかにゲル化剤というと合成したものという響きがあり、避ける人も多いでしょう。 とはいえ、食品添加物が入っていないことによって、逆に美味しくなくなる食べ物の方が現代ではむしろ多いといっても過言ではありません。  

■食品添加物は人類の英知と努力の結晶

現代は家に必ず冷蔵庫があり、さらには冷凍庫もあって、冷たい温度で細菌やウイルスの繁殖を抑えて食品を安全に保存することができます。 けれども、まだこうした文明の利器がなかったころは、食べ物を食べること自体で命を落とす人が多くいました。 食品に添加されているものが原因なのではなく、保存状態が悪く、細菌やウイルスが発生していることに気づかずに食べ、命を落とす人が大半だったのです。 これを何とかしようとして考え出されたのが食品添加物で、いわば命を守るために食品に付け加える目的で作られた、人類の英知が凝縮した努力の結晶でもあるのです。 保存料や殺菌料が入っているのを見て、これは体に悪いと取るか、こうした食品添加物が入っているおかげで長持ちする安全な食材になると取るかは人それぞれですが、まったく使わなくなれば保存が利かず、さらには独特の風味や美味しさを出すこともできなくなり、食事が美味しくなくなることは必至です。  

■当たり前に食べているものは食品添加物のおかげ

豆腐を作るには、豆乳をにがりで固める必要があります。 にがりには豆腐を固める働きがありますので、凝固剤という食品添加物です。 さらに、こんにゃくを固めるにも消石灰という添加物が使われており、これらは1000年も前から連綿と、変わらぬ製法で作られてきたということを歴史が証明しています。 誰も豆腐を買うときに、にがりが入っているから体に悪いとは思わないでしょうし、こんにゃくに入っている消石灰が気になって食べるのをやめようと考える人もほとんどいないはずです。 豆腐にしてもこんにゃくにしても、どちらも安心して食べられる食品として認識されていることから、いちいち成分表を見ることもないのではないでしょうか。 にがりがなければ豆腐にはならず豆乳のままですし、こんにゃくもでき上がりません。 すべては食品添加物のおかげと考えると、意識はかなり変わってくるでしょう。  

■摂りすぎには注意が必要

どんなものでも、摂りすぎることが毒になるというのはよくあることです。 過ぎたるは猶及ばざるが如しと言いますが、いくら健康にいいとされる食品でも、そればかりを食べていては栄養価が偏ってしまい、結果的には健康になるどころか栄養分が足りず、栄養失調になってしまう可能性すらあります。 この飽食の日本で現在、栄養失調の若い女性が増えているというのは、特定の食べ物だけを食べ過ぎるせいと言えるでしょう。 そう考えれば、食品添加物の多い食べ物ばかりを毎日食べていると、少なからず体に悪影響を及ぼすこともあると考えられます。 食品添加物の安全性を決めるにあたっては、無毒性を測るという検査を行っています。 これによって、人が一日に摂取しても体に悪影響を及ぼすことにはならない量を、しっかりと探し出して決めているのです。 摂取する量が多くなれば、体に悪影響を与えるのは当然といえますが、これは食品にも当てはまります。 結局のところ、同じものばかりを食べるのではなく、バランスに気を付けていろいろと食べることが、食品添加物と上手に付き合うことにもなるのです。
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