給食委託サービスの現場における栄養士の仕事
2020.12.31
給食委託サービスを行っている会社にとって、非常に大きな存在となっているのが栄養士です。
企業や病院、学校に出向いて調理をする場合や自社の厨房で調理をしたものを運ぶ場合まで、さまざま委託形態は存在しています。
これから栄養士を目指している人や、現在栄養士として頑張っているけど、給食委託サービスで働くことに興味があるという人は、仕事内容が気になることでしょう。
給食委託サービスは、あらゆる先で食事を提供する仕事なので、大変さはありますがやりがいも大きい仕事と言えます。
大まかな仕事先と仕事内容
給食委託サービスは、仕事先が多岐に渡っていることが特徴的です。
いろんな企業、学校、病院を見ることができるので経験値の1つとして自信につながりますが、その分行く先々で要望や形式が変わってくるので、大変さが多いかもしれません。
代表的な仕事先と仕事内容についてご紹介します。
・病院
もっとも給食委託サービスの利用が多いのは、病院です。
病院の場合、単純に食事を提供するだけではなく治療食として扱われます。
一般治療食とそれぞれの治療にあわせた食事メニューを作る必要があるので、栄養士として管理をするという大きな責任があるものです。
仕事内容としては、制限や治療上必要な栄養素などが決められている人以外の治療食メニューを1ヶ月分考案し、その後個別管理が必要な患者の詳細を医師や看護師から内容を聞き、メニューを考案します。
契約の内容にもよりますが、食事メニューを考案して作るだけではなくて、季節のイベントメニューを考案したり、外来患者向けに栄養指導を行うといった食事の大切さと、栄養管理全般を対応することもあるのです。
患者ごとにご飯の量はこのくらい、この栄養素を含んでいたほうがいいなど、あらゆる視点でメニューを決めなくてはいけないので、多くの経験を積むことができます。
・学校
小学校や幼稚園などの給食でも、給食委託サービスの利用が多いです。
小学校、幼稚園どちらにしても栄養士の仕事は似ています。
まず1ヶ月ごとにメニューを決めていくことから始めるのは同じですが、小学校の場合は国が定めている「学校給食摂取基準」に基づいて、それぞれの学年ごとに必要なカロリー栄養素を満たしたメニューを決めることが必要です。
幼稚園の場合は、食育の考えから季節の食べ物や栄養バランスの整った食事を通して、食べることの楽しさと四季を楽しむ心の豊かさを育てることが、メニュー決めの基本としています。
次に学校や園内での調理業務、食に対する指導などをおたよりにまとめるということも仕事の1つです。
小さなお子さんの成長に対して食事を提供するので、日々の成長を見ていけることは楽しさかもしれません。
・社員食堂
最近増えてきたのが、企業の社員食堂での食事提供です。
従業員の健康に配慮し、栄養バランスのとれた食事を安価な価格で食べることができるので、あらゆる企業で採用されています。
給食委託サービスを利用することによって、多くの人が充実した食生活を営めるように企業全体でサポートしようという意識があり、栄養士の仕事としては日替わりや主力のメニュー考案が主な部分になるでしょう。
企業それぞれに従業員のタイプは異なるので、和洋中などのバリエーションを用意し、ランチに適切なカロリーに調整することが仕事となってきます。
社員の健康管理を意識している企業の場合は、給食委託サービスの栄養士に社員への栄養・健康指導を依頼することもあるので、仕事は多岐に渡ります。
給食委託サービスで働くやりがい
給食委託サービスの現場で栄養士として働く大きなやりがいは、仕事を通してたくさんの企業や施設、学校を見ることができるので、より「自分に適している職場や理想的な職場」を見つけることができます。
企業や施設が直接雇用しているわけではないため、ずっと同じところで働いているわけではありません。
長期間委託を受けることもありますが、いろいろ経験できるので自分に合った職場探しも自然にできます。
給食委託サービスの場合は、自分で栄養士として働く場所を探す必要がないので、逆に選ぶこともできませんが、どの職場でも栄養士として貢献することで、多くの方から感謝されることでしょう。
「おいしかった」「また来て欲しい」そんな言葉を聞けることも多いので、やりがいを感じる仕事だといえます。
給食委託サービスの良さは、たくさんの経験を積めることです。
病院だけ、学校だけ、社員食堂だけでは、視野が偏ってしまうかもしれません。
いろんな経験は必ず自分の成長につながりますし、栄養士としての知識を増やしてくれるので、さまざまな場所で働く経験がもてることもやりがいの1つだといえます。
給食委託サービスの現場での経験は大きなスキル
給食委託サービスの現場において、栄養士の存在はすごく大きなものです。
日々のメニュー考案、利用者それぞれが抱える事情を把握して対応する、その他栄養・健康指導など、多くの面で仕事はたくさんあるので、その分やりがいも非常に多い仕事。
自分の栄養士としてのスキルを磨きたい人にとっては、前向きに検討してよい働き方でしょう。