介護ロボット開発事業について
2015.03.10
超高齢化を軽く超えて、まだまだ増える高齢者、どんどん上がる高齢化率、不足していく介護職員、そして腰痛などの介護職員の健康対策の為に、政府はいよいよ本腰を上げて「介護ロボット」の研究・開発事業に取り組んでいっています。
厚生労働省は、経済産業省と協力をして平成25年から 「ロボット介護機器開発・導入促進事業」において、3年後の製品開発を目指して介護ロボット開発に取り組んでいます。平成26年度は25.5億円の予算を立てて取り組まれ、開発する企業は民間から公募を行い「トヨタ」「東芝」「船井電気」「TOTO」などの大手を含む51事業所が選定されました。開発企業に対しては研究にかかった費用の、中小企業で3分の2、大企業には2分の1が国庫から援助され総額18.2億円の補助金が拠出されています。
介護現場とのミスマッチを埋めるには?
現場のニーズに応じた製品開発
これまでの介護ロボット開発は、技術的な簡易さから「移動支援」に偏っていました。その為、実際の介護現場で一番困っている事、求められている事に対応出来ずにミスマッチを産んで、普及も進んでいませんでした。その事から政府は、実用的な介護ロボット研究・開発を進める為に、「移乗介助」「移動介助」「排泄介助」「認知症の方の見守り」「入浴支援」の分野に重点を置いて事業を進める事を目指しています。
移乗介助
・ロボット技術を用いて介助者のパワーアシストを行う装着型の機器
・ロボット技術を用いて介助者による抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型の機器
移動支援
・高齢者等の外出をサポートし、荷物等を安全に運搬できるロボット技術を用いた歩行支援機器
・高齢者等の屋内移動や立ち座りをサポートし、特にトイレへの往復や
トイレ内での姿勢保持を支援するロボット技術を用いた歩行支援機器
排泄支援
・排泄物の処理にロボット技術を用いた設置位置の調整可能なトイレ
認知症の方の見守り
・介護施設において使用する、センサーや外部通
・在宅介護において使用する、転倒検知センサーや外部通信機能を備えた
ロボット技術を用いた機器のプラットフォーム
入浴支援
・ロボット技術を用いて浴槽に出入りする際の一連の動作を支援する機器
企業側の開発しやすさから、現場の必要性に応じた重点政策に焦点をおく事で、実用的な介護ロボットが開発されつつある様です。重点項目は優先的に以上の内容になっていますが、他にも「おむつ交換」「服薬管理」「家事労働支援」などの項目があり、適宜追加されていきます。
専門職・介護現場でのモニタリング
更に現場とのミスマッチを埋める為に、「福祉用具・介護ロボット実用化支援事業」というプロジェクトで、専門職の意見を聞き、病院や介護施設などの介護現場でモニタリングを行っています。
専門職よるアドバイス支援
理学療法士・作業療法士・看護師・介護福祉士などの専門職と、介護ロボット研究者で実用的な開発・運用の為の意見交換会を行います。開発前や、試作中のロボットに対して、自由な意見を交換しながら商品の魅力・使いやすさ・安全性と現場の課題などを話し合って、より現場に即した製品開発を進めています。
介護ロボット等モニター調査事業
病院や介護施設などで、開発中の介護ロボットを実際に使ってもらい、使いやすさなどをチェックしてもらい、更に実用的な性能向上の為にモニター調査を行っています。モニタリングを希望される方は公益財団法人テクノエイド協会のホームページ上で随時希望を募っています。
実際の製品について
既にいくつかの製品開発は進んでおり、運用をされています。驚くような技術に近未来を感じさせる製品もあります。経済産業省は定期的に、ロボットコンテストを開催して製品の共有と周知を行っています。具体的な製品の内容や、特徴的な商品情報は別の機会にご紹介していきたいと思います。