有料老人ホーム・福祉施設の給食委託、保育園・幼稚園の給食サービス

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高齢ドライバーの事故防止対策について

2015.02.05


前回取り上げさせて頂いた「高齢ドライバーによる交通事故」について、どの様な対策が講じられているのかをご紹介させていただきます。   シルバーマークと運転配慮規定   高齢ドライバーへの周囲の理解と配慮を促す為に、シルバーマークという物があります。   1997年の改正道路交通法により、75歳以上のドライバーが運転する車にマークの表示を「努力義務」する様に規定され、2001年には70歳以上へと対象年齢が引き下げられました。2008年には75歳以上のドライバーに対しては表示の「義務化」が規定され、表示をしなければ罰則となる法案が制定されましたが、「高齢者差別」などとの世論の激しい反発により、翌2009年に凍結となり、再び表示の「努力義務」となりました。マークの形状から「もみじマーク」と通称されていましたが、「デザインが枯葉のようだ」などの批判が強かった事から、2011年より、「四葉のクローバー」をモチーフにした現在のデザインに変更されました。 高齢ドライバーである事を知らせるだけではなく、マークをはっている車に対して周囲の運転者は保護する義務が規定されています。この車両に対して幅寄せや割り込みなどを行うと、違反者は初心運転者等保護義務違反に問われ1点の減点となります。シルバーマークの表示により高齢者が自分のペースで運転が出来て、周囲に配慮をしてもらえる様になっています。   免許更新時の特別講習と適正検査 20110513_01 高齢者の事故原因である「判断能力の低下」「身体機能の変化」「認知症」に対しては免許更新時に対策が講じられています。   2009年に施行された道路交通法によって、75歳以上の方は、「免許更新6ヶ月以内に特別講習と講習予備検査」を受験しなければならなくなりました。この検査によって認知機能レベルが判定されます。1年以内に、信号無視や安全進行義務違反などの違反がある方で、「著しく認知能力が低下していると判断」された場合は、医師による専門的な臨時適性検査を受けなければなりません。その検査で認知症と診断された場合は原則として免許取り消しとなります(6ヶ月以内に回復の見込みがある場合は免許停止処分となります)。   家族介護者のための支援マニュアル   高齢者ドライバーによる事故リスクは、当事者にとってだけでなく家族にとっても大きな問題です。高齢の家族がどこまで運転が可能なのかを知り、周囲に迷惑をかけてしまったり、家族を交通加害者にさせないように対応を考えていかなければなりません。   「国立長寿医療研究センター」では「家族介護者のために支援マニュアル」を作成して、インターネットで閲覧出来るようになっています。 国立長寿医療研究センター研究所 長寿政策科学研究部のホームページより   認知症には、発生の原因や脳の機能低下部位によって、複数のタイプがあり症状も様々です。認知症のタイプによってどの様な危険運転があったかの事例を紹介しており、傾向から認知症の早期発見にも繋がる内容となっています。認知症の疑いのある方に対応できるよう、フローチャートや具体的な対処方法などがまとめられています。   運転免許自主返納優遇制度   高齢ドライバー本人が自身の老化を認めて、運転を自主的に行わなくするには勇気がいる事です。日常的に使用していた方には、生活上の不便もあり運転の停止を躊躇させる原因となっています。しかし、勇気を持って運転リタイアを決意した方には、生活上の様々な面でお得になる優遇制度があります。   全国の警視庁では65歳以上になった方が運転免許を自主返納した場合に、「運転経歴証明」を発行しています。そして「運転経歴証明書」を提示すると、「高齢者自主返納サポート協議会」の加盟店や美術館において様々な特典を受けることができるのです。 高齢者自主返納サポート協議会加盟店のマーク   この特典が受けられる加盟店の店舗は、都道府県ごとによって異なりますが、非常に多数の業種、多数の店舗があります。例えば、「引っ越し料金10%引き」「銀行の金利優遇」「ホテルレストランバー料金割引」「百貨店の送料無料」「商店街で各種割引」などです。具体的な加盟店や特典の内容は、都道府県ごとの「高齢者運転免許自主返納サポート制度」でご確認下さい。   対応困難な場合は専門機関へご相談を   以上の様な制度があっても高齢ドライバーに対して、「勇気ある決断を」して貰う事は簡単な事ではありません。それはその人によって、運転をする事が「生き甲斐」であったり「生活の糧」であったりするからです。緊急を要する場合はやむを得ない時もありますが、本人の意向を無視して運転停止を強引に行う事から虐待に発展するケースもありました。ご本人の運転に対する思いを受け止めつつ、「身体の衰え」や「認知機能の低下」を理解して頂くには、慎重な対応が必要となってきます。   家族間だけで問題解決が困難な場合には、専門職にご相談を行って下さい。全国それぞれの地域には、行政管轄の高齢者相談窓口として「地域包括支援センター」があります。各専門職によって、適切な制度や必要な医療・介護機関のご紹介や関係調整を行ってもらう事が出来ます。行政機関なのでもちろん相談料は無料ですので、まずはご相談下さい。
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