有料老人ホーム・福祉施設の給食委託、保育園・幼稚園の給食サービス

「給食委託」と聞いて、皆さんが思い浮かべるのはどのようなものでしょうか？
たぶん、大半の方が「学校給食」をイメージされると思います。
もちろん、そのイメージは間違いではありません。
しかし、「学校給食」は給食委託業界の一部であって、必ずしも業界すべてを評しているとは言えません。
『公益財団法人　食の安全・安心財団』の資料によりますと、２０２１年度の市場規模推移のデータでは、全体で２兆９４０９億円の内、「事業所給食」が１兆３９６４億円、「病院給食」が７４２８億円、「学校給食」は４６７９億円、「保育所給食」が３３３８億円というシェアです。
「給食委託業界」の大半は「事業所給食」、いわゆる社員食堂がイメージしやすいかと思います。
「給食」という言葉の一般的なイメージのある「学校給食」はわずか一割程度という状況です。

給食委託業界の市場規模は、矢野経済研究所の資料によると、２０２２年度の市場規模で４兆６１８９億円、前年比の１０２．３％と売上規模は着実に年々増加しており、中でも先ほど挙げた民間委託が進んでいる学校給食、そして、少子高齢化社会の真っ直中にある高齢者施設などが市場拡大の下支えをしております。
では、「給食委託会社」とは、どのような事業をしているのでしょうか。
大まかに言うと、企業や学校、病院などに管理栄養士や栄養士、また専門調理師や調理師などを派遣して、給食事業を行う会社です。
つまり、単に「給食を作る」ではなく、毎日口にする食事ですので、栄養価の高い健康的な食事を提供することが求められます。
さらに、食事を特定多数の方に提供するということで、気をつけたいのが……

• ・食中毒や異物混入など食の安全・安心
• ・偏りのない栄養
• ・飽きのこないメニュー

……です。

特定多数の人々に食を提供するという側面から言うと、最も重要視しなければいけないのが、「食の安全・安心」です。
万が一、食中毒を発生させてしまえば、被害の拡大は防ぎようがありませんし、委託会社の信頼失墜は免れません。
そのため、給食委託会社によっては、HACCPやISOなどの管理手法よりも厳格な独自のマニュアルや基準を作成し、それに準じてチェックする体制を敷く場合もあります。
給食委託先を選別する上で、この「食の安全への取り組み方」は、非常に重要となっていますし、給食委託会社が最も力を注ぐのはこの「食の安全・安心」に対する取り組みだと言えます。

企業や病院・学校・高齢者施設などの給食を受け持つ給食委託会社は管理栄養士や栄養士、専門調理師や調理師などを派遣します。
食事を作る調理師は一般的にもイメージしやすいと思いますが、給食委託会社に管理栄養士や栄養士が含まれるのは、味だけではなく、その給食を食べる利用者の健康に留意しなければいけないからです。
管理栄養士は国家資格、栄養士は都道府県知事からの免許を受けた資格であり、ともに栄養指導や給食管理を行います。
保育園・幼稚園給食の場合は、「食育」の観点から若い人たちの健康づくりを考えた、栄養のバランスが取れたメニュー、あるいは食物アレルギーなども踏まえたメニューを考案致します。
また社員食堂であれば、肥満や糖尿病などの生活習慣病にも考慮した内容も考えてゆきます。
高齢者施設であれば、噛む力や食べる量とも関係するので、硬すぎない食物で、少量でも栄養価の高い献立など、利用者に合わせた食事を考えることが大切です。

「偏りのない栄養」だけを頑なに守っていれば良いか？というとそういうわけではありません。
給食委託会社という調理のプロフェッショナル達が提供する食事は、それを楽しみにしていただけるような存在でなければならないでしょう。
その中にあっても季節感、旬を取り入れた安全で安心な食材の使用、家庭料理に近いメニュー、サプライズ感、時にはイベントと絡めたメニューなども踏まえて、飽きのこない内容を考えることも給食委託サービスを提供する会社においては大切な役割です。

一口で「給食委託会社」と言っても、得意とする領域・サービス・規模感などさまざまです。
決して、どこも一緒ということではありません。
しかし、共通しているのは、「給食を通じて、笑顔と真心をお届けしている」点でしょう。
学校給食、社員食堂、高齢者施設、病院での食堂などシーンは異なるものの、おいしい食事を食べたときのお客様の笑顔を見たくて、給食委託会社は真心をお届けしています。
私たちセプトも「食材へのこだわり」、「プロフェッショナルなスタッフ」、「お客様のニーズに応えるオリジナルメニュープラン」をコンセプトに、私たちの真心である「おもてなしの心」に触れていただけるよう、給食委託の現場から心より願っております。