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社会保障削減と介護予防


ILM08_CB02013   世界に先駆けて高齢化の深化する日本では既に超高齢化社会に突入し、これから2025年にかけて更に爆発的に高齢者が増える事が予想されています。その中で医療・介護・健診分野では、ある一つの目標に向かい進行している事があります。それはこれらを含む「社会保障」の給付削減です。現在の延長で超超高齢化社会を迎えれば財政破綻は目にみえているからです。 政府は1980年代中盤より社会保障の支出削減に向けて舵をきり、様々な政策や長期計画を打ち出しました。2000年に介護保険が導入された理由の一つには、医療費の削減も見込んでの事でした。制度導入後も定期的な見直しが行われ、介護を削減する為に、「介護予防」で自立を促す流れとなり、来年度改定では要支援制度が介護保険から外されます。また2007年に後期高齢者医療制度と一体で特定健診制度が始まりました。特定健診は生活習慣病の発見に特化して、慢性疾患の原因として、運動や栄養指導により解消する事を目指しています。平成25年度からの「健康日本21(第2次)」ではロコモーティブシンドロームという、運動不足による高齢期の障害に注目して、高齢者の運動機能向上の取り組みが行政単位で行われる様になりました。これらも最終目的としては介護費用の削減、ひいては医療費の削減へと繋がっています。一部では国民イジメとか、政府の無責任さが問われる様な意見もありますが、給付管理は必要ですし、高齢者の健康をつくる方向での介護予防の取り組みは決して間違いでは無いと思えます。 「平均寿命」と「健康寿命」という概念があります。「平均寿命」とは寝たきりであろうが、延命治療であろうが、とにかく亡くなるまでの寿命です。対して「健康寿命」とは身の回りの事を自立して行え、自分の足で歩き元気に生活出来る寿命です。この平均寿命と健康寿命の差が介護を必要とする年月となります。男性の平均寿命が79.94才で健康寿命が71.19才なので8.75年、女性の平均寿命が86.41才で健康寿命が74.21才なので12.2年です。介護予防の取り組みは健康寿命と平均寿命の差を縮める事にあります。おなじ生きるなら最期まで自分の足で歩き人生を楽しんで、人に迷惑をかけずに生る事を多く高齢者は望んでいます。 今各地で様々な介護予防の取り組みが行われています。行政主導で介護予防教室が取り組まれ「運動」「口腔ケア」「栄養」「認知症予防」「うつ・とじこもり」のテーマで住民向け講座が全国で行われています。また地域の老人会や住民サロンでは転倒予防の体操、元気度をアップさせる体操などが小地域ごとで行われています。民間のフィットネスクラブでも高齢者向けのメニューが展開されています。 高齢者の健康意識はかつてなく高まっています。文部科学省の調査では、高齢者の実に70パーセントが週に1度以上運動をしているという事がわかりました。特に65歳から74歳の女性の体力や運動能力が過去最高に向上している事が明らかになりました。その結果2013年調査では健康寿命が延伸され、平均寿命との差を男性で1.3か月、女性で3.3か月縮めるという結果になりました。 高齢化が深まるにつれ、更に健康づくりのノウハウは蓄積され続け、もっと安全かつ健康効果の高い運動メニューや介護予防プログラムが開発されていく事になるでしょう。介護保険に頼る事なく、アクティブに活動するシニアが今後は増えていく事が予想されます。これからの高齢化社会は介護をされる側だけではない、いきいき活動し社会参加をする高齢者が活躍する社会へと発展していく事を期待したいと思います。